ブランクーシのアトリエ

L'atelier Brancusi

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20世紀を代表する現代彫刻の第一人者、ブランクーシのアトリエ。ポンピドゥーセンターの横に佇む穴場スポットです。

彫刻家のアトリエを復元

彫刻家のアトリエを復元

こんにちは、パリナビです。今回皆さんにご紹介するのは、ポンピドゥーセンターのすぐ横にあるにも関わらず、知る人ぞ知る隠れ家的(?)な場所です。それはルーマニア生まれの彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシのアトリエ。20世紀を代表する彫刻家の一人です。ブランクーシの作品群が並ぶアトリエは、作品もさることながらアトリエ全体が一つの展示物のように計算し尽くされているんです。では、どんなアトリエになっているんでしょうか。行ってみましょう!

コンスタンティン・ブランクーシ

アトリエにて

アトリエにて

ブランクーシは1876年、ルーマニアに生まれました。ブカレストの美術学校で学んだあと、1904年にパリのボザール(国立美術学校)に入学します。ロダンのアトリエで修行していた時期もあり、その頃はロダンの影響を受けていたそうですが、次第に自分のスタイルを確立していきます。
1916年、パリ15区に自分のアトリエを構えます。ここでブランクーシは1957年に亡くなるまで創作に励むことになります。彼の作品の殆んどはこのアトリエで生まれたものです。亡くなる前に、自分のすべての所有物(作品、製作道具、家具や書籍などなど)を全てフランスに寄付しますが、その際、自分のアトリエを国立現代美術館によって復元、保存してくれるよう要請します。

忠実に復元されたアトリエ

そのアトリエの復元を任されたのは、ポンピドゥーセンターのデザインで知られるレンゾ・ピアノ。実はこのアトリエの復元は単なる引っ越しでは済まない、なかなか大変な作業だったのです。というのは、ブランクーシはアトリエに作品を置くとき、他の作品との調和、台座、距離、光の当たり方などを計算し、どの角度から見ても完璧な並び方にこだわっていたからです。要するにアトリエそのものが芸術作品だったということでしょうか。また、隠れ家的な15区のアトリエの佇まいを展示物として再現するという課題もありました。そこで、忠実に再現したアトリエをガラスの壁で隔て、彫刻家の内なる世界を外から観察するという形で完成したのです。
ガラスの天窓から入る光まで、もとのアトリエの様子をしっかり計算してあるんですよ。
ポンピドゥー広場にあります

ポンピドゥー広場にあります

アトリエの入り口

アトリエの入り口

極限まで抽象化された彫刻の世界

アトリエの様子

アトリエの様子

「無限柱」

「無限柱」

ブランクーシと言えば、抽象的な彫刻の第一人者です。彼は、対象を極限まで削り取って非常に単純な形で結集させた作品を作り続けていました。また、同じテーマの作品が数多く幾つもあるのも特徴です。
このアトリエでは沢山の説明はありません。ガラス張りの大きな窓の横に、配置と作品名を記載したプレートがあるのみ。非常にシンプルです。ガラス越しに見るアトリエは何とも不思議な空間。一見適当に置いてあるようで、実はどのアングルから見ても完璧な配置になっているというマジックです。ひとつひとつのオブジェがお互いに呼応しているということですね。う~ん、深い。

最初のアトリエには、ブランクーシの代表作の一つ、「無限柱」群がそびえたちます。高い天井に自然光が射し、厳かな空気を生んでいます。そのそばには「魚」や「空間の鳥」「新生児」「接吻」といったこれまた代表作が佇んでいます。個性の強い作品が共存していて、静かながらインパクトの強いアトリエです。
「眠る子供」

「眠る子供」

「魚」

「魚」

「接吻」

「接吻」

配置はブランクーシのこだわり 配置はブランクーシのこだわり

配置はブランクーシのこだわり

その隣のアトリエには動物をかたどった作品群が目立ちます。「アザラシ」「雄鶏」が目を引きますが、丸いフォルムが印象的な「ポガニー嬢」シリーズや「世界の始まり」なども展示されています。
この二つのアトリエがいわば作品展示の中心になっています。抽象的な作品が生み出す空間は、現実を離れた異次元にいるような感覚に包まれます。意外とこれが心地いい?!のです。ガラス越しにじっくりと鑑賞するのもいいですが、通路に置かれたベンチに座ってまったりとこの世界に浸るのも悪くありませんね。
「アザラシ」

「アザラシ」

「雄鶏」

「雄鶏」

「ポガニー嬢」

「ポガニー嬢」

頭のフォルムが印象的な「世界の始まり」と「新生児」 頭のフォルムが印象的な「世界の始まり」と「新生児」

頭のフォルムが印象的な「世界の始まり」と「新生児」

芸術家の創作の場

3番目のアトリエ

3番目のアトリエ

壁には道具がずらり

壁には道具がずらり

次にお勧めするのはブランクーシの作業場や作業道具の展示室。これはブランクーシの3番目のアトリエが復元されています。ブロンズ、石、大理石、木など色々な素材で製作していたブランクーシの作業場は、壁いっぱいに掛かった道具が大きな見どころです。道具にもこだわったブランクーシは、普通彫刻家の使うものではない道具も自分なりに工夫して使っていたとか。このアトリエには作品は多くはありませんが、やはり「空間の鳥」が存在感を出しています。
アトリエの中2階の下にはギターやヴァイオリンがさりげなく飾ってあります。ブランクーシはエリック・サティと仲が良く、ギターを弾いたりジャズのレコードを一緒に聴いたりと楽しい時間を過ごしていたと言います。
「空間の鳥」 「空間の鳥」

「空間の鳥」

続くとなりのアトリエには鋳型や石膏といった道具によって作られた作品が置かれています。おや、未完の「ナルキッソス」の前にはカメラが。ブランクーシは自分の作品を写真に収めていました。これは単に作品を撮っておくだけでなく、アトリエに作品を配置するうえでも重要なことだったのです。とても強いこだわりを感じますね
習作や未完の作品も展示 習作や未完の作品も展示

習作や未完の作品も展示


ブランクーシのアトリエは、ポンピドゥーセンター広場から美術館に向かって左手、ランビュトー通り側に少し離れて立っています。外観はかなり地味なのですが、入ってみると居心地の良い異空間に紛れ込んだ感じです。しかもこのアトリエは入館料無料。しかもまず並ぶことなく入れます。火曜日以外は14時から18時まで開館。彫刻や現代美術のファンはもちろんですが、ポンピドゥーセンターを見学したけどまだ少し時間がある、あるいはポンピドゥーセンターに来てみたけど混みすぎて入れない、なんて時にもぜひおススメしたいスポットです!
以上、パリナビでした。







記事登録日:2017-03-15

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スポット登録日:2017-03-15

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